「光~」

と校庭から声がする。
ベッドからのろのろと起き上がる。

保健室のレースカーテンを開けると、正彦が立っていた。


「あぁ、まさくんか」


「光、今日来てたんだな。たまには教室こいよ」

「やだ。ここの方がいい」


正彦は、つまんなそうな顔をしている。


私が保健室に入り浸るようになったのは、昨年からだ。

別にいじめられた訳でもないし、勉強がいやになったわけでもないが、昨年から教室にいるのが耐え難くなったからだ。


無理していると、吐き気がしてきて呼吸も苦しくなる。