「このグループね、結成20年だって。私、デビューしたときからのファンだから、なんか自分の歳を思い知らされちゃうよね」


ナツの横顔を見た。とてもキレイな顔をしている。

まるで自分の生き方に誇りをもっているように見えて、私はうらやましかった。



電話が鳴った。

父の名前がディスプレイに出ている。


「はい、ウチです」

その言い方にナツが爆笑した。