「どう?いい夏休みを過ごしているかな」


ようやく眠気から解放された猿沢が尋ねた。



「正直、あんまりいいとは言えないかな。家でも友達関係でもいろいろあって」


なるべく軽く聞こえるように言った。



「ま、それが青春ってもんだよ。しっかり悩んで成長しなさい」


猿沢は、自分の言ったセリフに満足そうにうなずいた。



「あ、センセ。こないだは突然電話しちゃって、すみませんでした」