翌日、俺たちはまたショッピングモールに来ることになった。
「湊、服はこれで大丈夫かな?」
「大丈夫だと思うけど入る?」
今週のバイトに備えて服を買いにきた。
だけど、蓮が着られるサイズがあるのか心配だ。
「たぶん着られるとは思うけど……」
蓮が手に取ったのはLLサイズの服だ。
普段は3Lを買っているらしく、ネットで買うことが多いため、すぐには間に合わないと。
もし、サイズが合わなければ、アルバイトは来週からに調整してもらわないといけない。
「そもそも急にアルバイトさせることにしたマスターが悪いから気にしなくていいよ」
「うん……」
そう伝えても、蓮はすぐにアルバイトをしたいのか、絶対に今週末までには服を用意すると意気込んでいた。
初めてのアルバイトなのもあり、やる気に満ち溢れているのだろう。
「蓮、着られた?」
「着られたけどこれでいいのか?」
「開けるよ」
試着室のカーテンを開けると、そこには白シャツを着ている蓮がいた。
特に変わった様子もない。
あるとすれば――。
「筋肉がすごいな」
「だよな……」
喫茶店に来た時も蓮は大きめの私服を着ていた。
元から制服も少し緩めだったが、サイズを落とすと筋肉がはっきりと目立つ。
腕捲りをしているが、筋肉は溢れそうだし、胸のボタンも弾けないかと心配になる。
「似合っているけど、無理に買わずにバイトは来週から――」
「いや、これを買う」
今まで体格が目立つことを気にしていたのに、そこまでして蓮はアルバイトがしたかったのか。
そこまでしてアルバイトがしたいのは、お金に困っているのかな?
アルバイトをしていなかったってことは、お小遣いで遊んでいたことになるし。
そう考えると、あまりお金のかかりそうな遊びには誘わない方が良さそうだな。
すぐに着替えた蓮はレジに行って、服を買っていた。
「本当にそれでよかったの?」
「似合ってるなら問題ない」
「蓮は大きめの服が好きじゃないの?」
「いや……そんなことない。目立つのが嫌だっただけだし、湊が似合ってるっていうならそっちのほうがいい」
本人が気にしないならいいけど、俺の意見で全てが決まる気がするのもどこか心配になる。
自分が好きなものまでは曲げるべきではないからね。
服の準備をして数日後。
駅で待ち合わせした俺たちは、朝から喫茶店に向かっていた。
「緊張するな……」
隣を歩く蓮が小さく呟く。
いつもは無表情なことが多いのに、今日はやけに表情がコロコロと変わる。
俺は隣で見ていて面白いんだけどな。
「蓮でも緊張するんだね」
「初めてのバイトだからな。それに……」
蓮は自分の手を見る。
「ちゃんと役に立てるか不安」
その言葉を聞いて少し驚いた。
蓮は何でもできると思っていた。
運動もできるし体力もある。
慣れてないこともすぐにできるようになるから、俺からしたら完璧に近い存在だ。
でも、本人はそんなふうには思っていないらしい。
「大丈夫だろ。マスターも無理なことは頼まないって言ってたし」
「湊がいるから大丈夫な気はするけど……」
チラチラと俺の方を見てくるのは、応援でもしてほしいのだろうか。
「蓮ならいけるぞ」
そう言って、蓮の背中を叩いて活を入れる。
蓮は嬉しそうに笑ってホッとしていた。
ますます熊……いや、今回は大型犬に見えなくもない。
それに俺がいることで安心してくれるなら、悪い気はしない。
喫茶店に到着すると、すでにマスターが準備をしていた。
「「おはようございます」」
「おう、二人とも来たか」
マスターは蓮を見ると満足そうに頷く。
スタッフルームの場所を伝えて、タイムカードを押す。
持ってきた服に着替えて、エプロンを着けると仕事の準備は終わりだ。
「首元も苦しそうだから開けてみたら?」
「湊が言うなら……」
首元までしっかりと閉じていたボタンを外す。
これで胸を張った時にボタンが弾け飛ばなくて済むだろう。
「かっこいいじゃんか!」
「そうかな?」
蓮は嬉しそうにしていた。
体格が良いから、まるで海外のドラマに出てきそうな姿をしているな。
準備を終えた俺たちは、マスターのもとへ向かう。
「よし。それじゃあ蓮くんは俺の手伝いをしてもらう」
「調理ですか?」
「いや、まずは裏方だな」
マスターは店の奥を指差す。
「皿洗い、食材の準備、荷物運び。あとは帰ったお客さんの皿などが残っていたら、片付けてくれ」
「わかりました」
蓮は真剣な顔で返事をする。
その姿を見て少し安心した。
最初から接客を任せたら、たぶん大変だろう。
俺も事前に蓮のことについてはマスターに話しているからね。
「黒川くん、あの子は新人さん?」
開店してしばらくすると、常連の人たちが声をかけてきた。
「あっ、同級生です」
「まあ! 高校生なの? 大きいわねぇ」
背中が曲がったおばあちゃんの視線は蓮へ向かう。
見上げて背中が伸びるほどの身長差だ。
手が空いた蓮はホールに来て、皿やコップの回収をしていた。
「身長は何センチあるのかしら?」
「190cmくらいです」
「まあ!」
蓮は慣れているのか、驚かれても特に気にした様子もない。
「昔からそんなに大きかったのかしら?」
「あー、小学生の時には170cmありましたね」
「はぁん!?」
傍で聞いていた俺が驚いてしまった。
今の俺は小学生の蓮と同じぐらいだってことか。
「世の中身長だけじゃないわよ。私の時代は三高って言ってね。高学歴、高収入、高身長がモテてたのよ」
「身長高い方がモテるんじゃないですか!」
「あら、そうね!」
おばあちゃんは俺をフォローしようとしたのだろう。
だけど、追加で攻撃された気分だ。
「身長が高いのがいいわけじゃないからな」
「蓮に言われてもな……」
できれば俺ももう少し身長が高い方がよかった。
そんなたわいない話をしながら、忙しい喫茶店を回していく。
蓮もホールに出ては度々常連客に話しかけられていたが、それなりに話すことはできていた。
決して話せないわけではないのに、なぜ蓮はボッチだったのか。
どこかそんな違和感を覚えた。
「蓮くん、悪いけど外の掃除をお願いできるか?」
お昼の営業が落ち着いた頃にマスターが声をかけていた。
「外ですか?」
「ああ。身長が高いから、看板の上とかも届くかなって」
「行ってきます」
蓮はすぐに返事をして、掃除道具を片手に店の外へ出ていった。
俺は店内の片付けをしながら、時々窓の外を見る。
蓮は真面目なのもあり、隅まで丁寧に掃除していた。
やっぱり何をやらせても器用なんだな。
そう思っていた時だった。
「……あれ?」
何人かの人が蓮の周りに集まっていた。
最初は近所の人が話しかけているだけだと思ったが、明らかに人数が増えている。
それにほとんどが女性ばかりのようだ。
店に入ってくるわけでもなく、外だけが妙に騒がしい。
「黒川くん、何かあったか?」
「いや、蓮の周りに人が集まってて」
「店には入ってこないのか……」
マスターも気になったのか外を見る。
お店の中に入ってこなければ、ただ邪魔になるだけだ。
それに蓮の見た目ならチヤホヤされるのも理解できる。
ただ、あの眉間にシワを寄せて立ち尽くしている感じは困っているんだろうな。
蓮のカバンについている熊のぬいぐるみにそっくりだ。
「ちょっと見てきます」
俺は蓮の様子を見に行くために店の外へ出た。
「蓮、大丈夫か?」
声をかけると、すぐに蓮がこっちを振り向いた。
その周囲には――。
「写真撮ってもいいですか?」
「彼女はいますか?」
「すごい筋肉ですね!」
「モデルとかやってないんですか?」
「かっこいい!」
大量の人たちに囲まれて、困り果てた顔の蓮がいた。
以前なら目が前髪に隠れていたから、表情が伝わりにくかった。
だけど、今なら困った表情もかっこいいって思われていそうだな。
「えっと……」
蓮は隙間を通って俺の方へ来ようとしていたけど、囲まれて身動きが取れないようだ。
蓮は今まで目立つことを避けていた。
なのに、ただ掃除をしていただけで人が集まってきたからびっくりしたのだろう。
「すみません、仕事中なのでそれぐらいにしてください」
俺が間に入ると、何人かがこっちを見てきた。
「友達ですか?」
「ここはバイト募集してますか?」
「いいなぁ、私もこんなイケメンと一緒に働きたい」
その言葉になぜか少しだけ胸がざわついた。
でも、今はそんなことを考えている場合じゃない。
「蓮、戻ろうか」
「ああ」
蓮は素直についてくる。
店の中へ戻ると、マスターが苦笑していた。
「すみません」
「いや、蓮くんが悪いわけじゃない」
マスターは外を見る。
まだ人集りができており、喫茶店に入るか話し合っているようだ。
「もう外掃除は一人で任せない方がいいかもしれんな」
「ですね」
俺も同じことを思っていた。
蓮は本人が思っている以上に目立つ。
しかも、今はピチッとした白シャツ姿で、雰囲気も落ち着いているのもあり、大人っぽく見える。
その姿に視線が惹きつけられるのだろう。
「蓮、これから外に出る時は呼んで」
「わかった!」
返事をした蓮はどこか嬉しそうだ。
そういえば、さっき間に入って蓮を連れてきた時から喜んでいたな。
本当に自分が何かに巻き込まれるかもしれないってわかってるのかな?
俺は思わずため息をついた。
まさかアルバイト中まで一緒に行動することになるとは思わなかった。
でも、あんなふうに困った顔をしている蓮を放っておくこともできない。
「仕方ないか」
蓮が囲まれて困っていないか確認する仕事が追加された。
「湊、服はこれで大丈夫かな?」
「大丈夫だと思うけど入る?」
今週のバイトに備えて服を買いにきた。
だけど、蓮が着られるサイズがあるのか心配だ。
「たぶん着られるとは思うけど……」
蓮が手に取ったのはLLサイズの服だ。
普段は3Lを買っているらしく、ネットで買うことが多いため、すぐには間に合わないと。
もし、サイズが合わなければ、アルバイトは来週からに調整してもらわないといけない。
「そもそも急にアルバイトさせることにしたマスターが悪いから気にしなくていいよ」
「うん……」
そう伝えても、蓮はすぐにアルバイトをしたいのか、絶対に今週末までには服を用意すると意気込んでいた。
初めてのアルバイトなのもあり、やる気に満ち溢れているのだろう。
「蓮、着られた?」
「着られたけどこれでいいのか?」
「開けるよ」
試着室のカーテンを開けると、そこには白シャツを着ている蓮がいた。
特に変わった様子もない。
あるとすれば――。
「筋肉がすごいな」
「だよな……」
喫茶店に来た時も蓮は大きめの私服を着ていた。
元から制服も少し緩めだったが、サイズを落とすと筋肉がはっきりと目立つ。
腕捲りをしているが、筋肉は溢れそうだし、胸のボタンも弾けないかと心配になる。
「似合っているけど、無理に買わずにバイトは来週から――」
「いや、これを買う」
今まで体格が目立つことを気にしていたのに、そこまでして蓮はアルバイトがしたかったのか。
そこまでしてアルバイトがしたいのは、お金に困っているのかな?
アルバイトをしていなかったってことは、お小遣いで遊んでいたことになるし。
そう考えると、あまりお金のかかりそうな遊びには誘わない方が良さそうだな。
すぐに着替えた蓮はレジに行って、服を買っていた。
「本当にそれでよかったの?」
「似合ってるなら問題ない」
「蓮は大きめの服が好きじゃないの?」
「いや……そんなことない。目立つのが嫌だっただけだし、湊が似合ってるっていうならそっちのほうがいい」
本人が気にしないならいいけど、俺の意見で全てが決まる気がするのもどこか心配になる。
自分が好きなものまでは曲げるべきではないからね。
服の準備をして数日後。
駅で待ち合わせした俺たちは、朝から喫茶店に向かっていた。
「緊張するな……」
隣を歩く蓮が小さく呟く。
いつもは無表情なことが多いのに、今日はやけに表情がコロコロと変わる。
俺は隣で見ていて面白いんだけどな。
「蓮でも緊張するんだね」
「初めてのバイトだからな。それに……」
蓮は自分の手を見る。
「ちゃんと役に立てるか不安」
その言葉を聞いて少し驚いた。
蓮は何でもできると思っていた。
運動もできるし体力もある。
慣れてないこともすぐにできるようになるから、俺からしたら完璧に近い存在だ。
でも、本人はそんなふうには思っていないらしい。
「大丈夫だろ。マスターも無理なことは頼まないって言ってたし」
「湊がいるから大丈夫な気はするけど……」
チラチラと俺の方を見てくるのは、応援でもしてほしいのだろうか。
「蓮ならいけるぞ」
そう言って、蓮の背中を叩いて活を入れる。
蓮は嬉しそうに笑ってホッとしていた。
ますます熊……いや、今回は大型犬に見えなくもない。
それに俺がいることで安心してくれるなら、悪い気はしない。
喫茶店に到着すると、すでにマスターが準備をしていた。
「「おはようございます」」
「おう、二人とも来たか」
マスターは蓮を見ると満足そうに頷く。
スタッフルームの場所を伝えて、タイムカードを押す。
持ってきた服に着替えて、エプロンを着けると仕事の準備は終わりだ。
「首元も苦しそうだから開けてみたら?」
「湊が言うなら……」
首元までしっかりと閉じていたボタンを外す。
これで胸を張った時にボタンが弾け飛ばなくて済むだろう。
「かっこいいじゃんか!」
「そうかな?」
蓮は嬉しそうにしていた。
体格が良いから、まるで海外のドラマに出てきそうな姿をしているな。
準備を終えた俺たちは、マスターのもとへ向かう。
「よし。それじゃあ蓮くんは俺の手伝いをしてもらう」
「調理ですか?」
「いや、まずは裏方だな」
マスターは店の奥を指差す。
「皿洗い、食材の準備、荷物運び。あとは帰ったお客さんの皿などが残っていたら、片付けてくれ」
「わかりました」
蓮は真剣な顔で返事をする。
その姿を見て少し安心した。
最初から接客を任せたら、たぶん大変だろう。
俺も事前に蓮のことについてはマスターに話しているからね。
「黒川くん、あの子は新人さん?」
開店してしばらくすると、常連の人たちが声をかけてきた。
「あっ、同級生です」
「まあ! 高校生なの? 大きいわねぇ」
背中が曲がったおばあちゃんの視線は蓮へ向かう。
見上げて背中が伸びるほどの身長差だ。
手が空いた蓮はホールに来て、皿やコップの回収をしていた。
「身長は何センチあるのかしら?」
「190cmくらいです」
「まあ!」
蓮は慣れているのか、驚かれても特に気にした様子もない。
「昔からそんなに大きかったのかしら?」
「あー、小学生の時には170cmありましたね」
「はぁん!?」
傍で聞いていた俺が驚いてしまった。
今の俺は小学生の蓮と同じぐらいだってことか。
「世の中身長だけじゃないわよ。私の時代は三高って言ってね。高学歴、高収入、高身長がモテてたのよ」
「身長高い方がモテるんじゃないですか!」
「あら、そうね!」
おばあちゃんは俺をフォローしようとしたのだろう。
だけど、追加で攻撃された気分だ。
「身長が高いのがいいわけじゃないからな」
「蓮に言われてもな……」
できれば俺ももう少し身長が高い方がよかった。
そんなたわいない話をしながら、忙しい喫茶店を回していく。
蓮もホールに出ては度々常連客に話しかけられていたが、それなりに話すことはできていた。
決して話せないわけではないのに、なぜ蓮はボッチだったのか。
どこかそんな違和感を覚えた。
「蓮くん、悪いけど外の掃除をお願いできるか?」
お昼の営業が落ち着いた頃にマスターが声をかけていた。
「外ですか?」
「ああ。身長が高いから、看板の上とかも届くかなって」
「行ってきます」
蓮はすぐに返事をして、掃除道具を片手に店の外へ出ていった。
俺は店内の片付けをしながら、時々窓の外を見る。
蓮は真面目なのもあり、隅まで丁寧に掃除していた。
やっぱり何をやらせても器用なんだな。
そう思っていた時だった。
「……あれ?」
何人かの人が蓮の周りに集まっていた。
最初は近所の人が話しかけているだけだと思ったが、明らかに人数が増えている。
それにほとんどが女性ばかりのようだ。
店に入ってくるわけでもなく、外だけが妙に騒がしい。
「黒川くん、何かあったか?」
「いや、蓮の周りに人が集まってて」
「店には入ってこないのか……」
マスターも気になったのか外を見る。
お店の中に入ってこなければ、ただ邪魔になるだけだ。
それに蓮の見た目ならチヤホヤされるのも理解できる。
ただ、あの眉間にシワを寄せて立ち尽くしている感じは困っているんだろうな。
蓮のカバンについている熊のぬいぐるみにそっくりだ。
「ちょっと見てきます」
俺は蓮の様子を見に行くために店の外へ出た。
「蓮、大丈夫か?」
声をかけると、すぐに蓮がこっちを振り向いた。
その周囲には――。
「写真撮ってもいいですか?」
「彼女はいますか?」
「すごい筋肉ですね!」
「モデルとかやってないんですか?」
「かっこいい!」
大量の人たちに囲まれて、困り果てた顔の蓮がいた。
以前なら目が前髪に隠れていたから、表情が伝わりにくかった。
だけど、今なら困った表情もかっこいいって思われていそうだな。
「えっと……」
蓮は隙間を通って俺の方へ来ようとしていたけど、囲まれて身動きが取れないようだ。
蓮は今まで目立つことを避けていた。
なのに、ただ掃除をしていただけで人が集まってきたからびっくりしたのだろう。
「すみません、仕事中なのでそれぐらいにしてください」
俺が間に入ると、何人かがこっちを見てきた。
「友達ですか?」
「ここはバイト募集してますか?」
「いいなぁ、私もこんなイケメンと一緒に働きたい」
その言葉になぜか少しだけ胸がざわついた。
でも、今はそんなことを考えている場合じゃない。
「蓮、戻ろうか」
「ああ」
蓮は素直についてくる。
店の中へ戻ると、マスターが苦笑していた。
「すみません」
「いや、蓮くんが悪いわけじゃない」
マスターは外を見る。
まだ人集りができており、喫茶店に入るか話し合っているようだ。
「もう外掃除は一人で任せない方がいいかもしれんな」
「ですね」
俺も同じことを思っていた。
蓮は本人が思っている以上に目立つ。
しかも、今はピチッとした白シャツ姿で、雰囲気も落ち着いているのもあり、大人っぽく見える。
その姿に視線が惹きつけられるのだろう。
「蓮、これから外に出る時は呼んで」
「わかった!」
返事をした蓮はどこか嬉しそうだ。
そういえば、さっき間に入って蓮を連れてきた時から喜んでいたな。
本当に自分が何かに巻き込まれるかもしれないってわかってるのかな?
俺は思わずため息をついた。
まさかアルバイト中まで一緒に行動することになるとは思わなかった。
でも、あんなふうに困った顔をしている蓮を放っておくこともできない。
「仕方ないか」
蓮が囲まれて困っていないか確認する仕事が追加された。



