優等生の鑑〜いつも笑顔の私を救ってくれたのは、誰よりも私のそばにいてくれた君だった〜



 あの日は、快晴だった。
 みづきと、みづきの里親さんと、楽(らく)と、私で海に行った。
 夏になったら行こうね、って、そう約束していた。
「きゃー!冷たーい!」
 いつもよりはしゃいでいるみづきを横目に、私は、ずっと砂浜で貝殻を集めていた。
「ねー!瑠愛(るあ)も一緒に遊ぼうよー!」
「……私は、良いかな」
 みづきからの誘いも断って、一人で、貝殻を集めていた。
 ……あの日は、快晴で、とても暑かった。
「あっつ……」
 タオルで汗を拭きながら、ぼんやりと、海で遊ぶ二人を見ていた。
 徐々に、体の力が抜けていく気がした。
 それと同時に、吐き気が襲ってくる。
 ……やばい、熱中症かも。
 みづきの里親さんの元に、クーラーボックスと飲み物があった。
 でも、行きにくくて、全く飲み物を飲めていなかった。
「……瑠愛(るあ)?」
 遠くから、楽(らく)の声が聞こえた気がした。
 誰かが、駆け寄って来る。
「瑠愛(るあ)……?瑠愛(るあ)!」
 ……楽(らく)がいた。
「ら、く……」
 意識が遠のいていく。
「おばさん!瑠愛(るあ)が……!」
 みづきの里親さんがやって来る。
「きゅ、救急車!」

 ……この時、みづきは、海で独りぼっちだった。