優等生の鑑〜いつも笑顔の私を救ってくれたのは、誰よりも私のそばにいてくれた君だった〜

「赤間(あかま)?大丈夫か?」
 目を覚ますと、空(そら)の姿が目に入った。
 私をのぞき込んでいる。
「……あ!」
 意識が段々とはっきりしてくる。
「凜(りん)……」
 起き上がって、あたりを見渡す。
 どこかの公園のようだ。
 でも、凜(りん)の姿はなかった。
「長谷川(はせがわ)なら、一人で映画観に行ったぞ。さっきまでいたんだけどな」
 そっか……。
 凜(りん)の分だけでも、チケット代が無駄にならなくて良かった。
「なんで、空(そら)が、あそこに……?」
「……西壁(にしかべ)がさ、今日、神楽(かぐら)海岸に行ってくれないか、って。赤間(あかま)がそこに行くから、って。本当は自分が行きたかったけど、用事があったらしい」
 楽(らく)が……。
「そっか……。やっぱり私、楽(らく)に心配かけてたんだね」
 申し訳ない気持ちになる。
 しかも、倒れちゃったしな……。
「凜(りん)にも、心配かけたよな」
「……俺は、なんも知らねえけど、長谷川(はせがわ)には話したほうが良いんじゃね?友達だろ、お前ら」
 ……怖い。
 誰かと、深い関係になるのが。
 みづきみたいに、いなくなってしまったら……?
 私、もう、耐えられないよ……。
「……あ、赤間(あかま)……?」
 空(そら)の、少し動揺した声が聞こえる。
 頰に触れると、濡れていた。
「ご、ごめ……」
 涙が、どんどん溢れ出してくる。
 止めようと思えば思うほど、止まらない。
「ほんと、ごめん……。私……」
「……無理すんなよ」
 少しぶっきらぼうで、でも、優しい。
 そんな声だった。
「……あのね、空(そら)――」
 私は、空(そら)に、あの事故のことを話した。