優等生の鑑〜いつも笑顔の私を救ってくれたのは、誰よりも私のそばにいてくれた君だった〜

「ねえ、瑠愛(るあ)。海行かない?」
「え、海……?」
 翌日。
 一緒にお弁当を食べていた時、凜(りん)にそんなことを言われた。
「今、春だよね?」
「別に、海に入るわけじゃないよ?ただ、砂浜をのんびり歩くだけ。ついでに、近くのショッピングモールに行こうよ。私、観たい映画あるんだよね」
「……『いつか君がいなくなっても、僕は君を忘れない。』?」
「そう!それ!」
 凜(りん)の好みは把握している。
 私も、面白そうだな、と思っていた。
「うん、いいよ」
「やったー!」
 海に行く、というところに少し引っかかりを覚えながら、頷く。
 ……砂浜をのんびり歩くだけなら、大丈夫だよね。
 そう、自分自身を納得させる。
 ――心の奥で、とてつもない恐怖に襲われながらも。