「おはようございます!」
橙子は、今回一緒に出展をするメーカーらしき若い男性に挨拶をする。
「どうも!今日は遠方から来ていただき、ありがとうございます!今回、僕は初めての参加なんですけど、一緒に展示会を盛り上げましょうね!」
お互いに名刺を交換する。
「園田橙子、と申します。」
橙子が頭を下げると、男性は嬉しそうな声を出した。
「うわぁ!その声!本物だ!」
「本物?」
橙子は首を傾げた。
「あっ!すみません!僕、何回か園田さんからの電話を受けたことがありまして!綺麗なお声だな〜と思ってたんです!」
「あはは……ありがとうございます。」
「すみません、急に!あ、城山と申します。」
「城山さんですね。いつもお世話になっております。今日も頑張りましょうね!」
橙子はニコリと笑った。
——展示会は盛り上がり、橙子は大忙しだった。
「終わりましたね……。」
橙子が言うと、城山は力無く笑った。
「終わりましたね……。園田さん、お話上手ですね。メーカーの僕が詳細を話していても、あんなにお客様が興味を持つことって、あんまりないですよ。」
「いえいえ……。城山さんがいて助かりました!私だけでは、あんなに色々聞かれても答えられないこともあったでしょうし……。」
お互いに労い合う。
「園田さんは、この後はどうされるんですか?」
「今日は近くのホテルで泊まる予定です。明日、休みをもらっているので、ゆっくり帰ろうかと。」
「いいですね。僕はこのまま新幹線ですよ。また、お会いできたら、ぜひご飯一緒に行きましょう!」
その言葉に橙子は微笑み、片付けをして、ホテルに帰った。
「お昼、食べた気がしなかった……。」
展示会スタッフとして忙しかったので、昼はゼリー飲料で済ました。ホテルの部屋に入った瞬間に、クゥ……とお腹が鳴る。
「そうだよね。お腹減ったよねぇ……。」
橙子は腹の虫に同意し、部屋で荷物を広げた。
「大きな駅だから、ご飯屋がいっぱいある……!」
橙子は目を輝かせる。スーツから楽なワンピースに着替えて、駅にきた橙子。キョロキョロと看板を見ながら、レストラン街を歩く。
「お寿司?ラーメン?どうせならお酒も飲みたいかも……。」
ぐるぐると歩きながら、ぶつぶつと独り言。ふと、橙子は足を止めた。
「オイスターバー……?」
おしゃれな雰囲気のレストラン。ポスターには、プリップリの牡蠣の写真。
「うわぁ……!あり!」
橙子が目を輝かせた。牡蠣は、橙子の好物の一つだ。橙子はじぶんの服装を見る。楽そうだけど、おしゃれなレストランに入っても問題なさそうな服装。
「よし!ここにしよう!」
橙子は意気揚々とレストランに入った。
「すごい……!」
メニューを見て、橙子は嬉しそうな声をあげる。少し考えて、店員を呼んだ。
「えっと、これとこれ……で、あとこれを!」
「かしこまりました。」
まるで執事かのように恭しくお辞儀をして立ち去る店員。
「いっぱい頼んじゃった……けど、いいよね。今日、頑張ったもん!」
橙子は、金額のことを少し考えたが、気にしないことにした。
「お待たせいたしました。」
「ありがとうございます!」
橙子の目の前に料理が並ぶ。焼き牡蠣、カキフライ、牡蠣のアヒージョ、牡蠣のクリームパスタだ。
「美味しそう……!そして、これ!」
料理の隣で輝くワイングラス。
「んふふ!牡蠣ならやっぱり白ワインだよね!」
橙子は焼き牡蠣を口に入れる。大きな牡蠣をグッと噛むとジュワッと口の中に旨みの詰まった汁が溢れた。そのまま、白ワインを飲む。
「ん〜!美味しい!」
カキフライも口に運ぶ。こちらは火傷が怖いので、半分に切ってからだ。
「カキフライ、最高……!」
橙子はまたワインを飲んだ。
「アヒージョも美味しい……!バゲットも一緒にしてよかった……!絶対このオイル美味しいよ!クリームパスタも食べ応えある……!」
感動しながら、どんどん食べ物を口に運ぶ。白ワインはあっという間になくなった。
「もう一杯欲しいけど、そのままだと酔いすぎちゃうな……。あ、これにしよ!」
橙子はオペレーターを注文する。オペレーターは白ワインとジンジャーエールを混ぜた爽やかな味のお酒だ。
「ん〜!美味しい!」
ジンジャーエールの炭酸がシュワシュワと弾け、また食が進む。料理がなくなる頃には橙子は、ほろ酔いになっていた。
「んふふ。ご馳走様でした〜!」
レストランを出て、橙子は駅内を歩く。
「気分もいいし、後輩にお土産買って帰っちゃお!」
橙子は出張での娯楽である食、つまり娯楽飯を堪能したのだった。
翌々日。
「先輩、お土産ありがとうございます!これむちゃくちゃいいチョコじゃないですか!」
「そうだね……。」
後輩のお礼に、曖昧に微笑む橙子。あの後、白ワインで楽しく酔った橙子は高級チョコを爆買いしてしまったのだった。酔っ払いの買い物は危険である。
橙子は、今回一緒に出展をするメーカーらしき若い男性に挨拶をする。
「どうも!今日は遠方から来ていただき、ありがとうございます!今回、僕は初めての参加なんですけど、一緒に展示会を盛り上げましょうね!」
お互いに名刺を交換する。
「園田橙子、と申します。」
橙子が頭を下げると、男性は嬉しそうな声を出した。
「うわぁ!その声!本物だ!」
「本物?」
橙子は首を傾げた。
「あっ!すみません!僕、何回か園田さんからの電話を受けたことがありまして!綺麗なお声だな〜と思ってたんです!」
「あはは……ありがとうございます。」
「すみません、急に!あ、城山と申します。」
「城山さんですね。いつもお世話になっております。今日も頑張りましょうね!」
橙子はニコリと笑った。
——展示会は盛り上がり、橙子は大忙しだった。
「終わりましたね……。」
橙子が言うと、城山は力無く笑った。
「終わりましたね……。園田さん、お話上手ですね。メーカーの僕が詳細を話していても、あんなにお客様が興味を持つことって、あんまりないですよ。」
「いえいえ……。城山さんがいて助かりました!私だけでは、あんなに色々聞かれても答えられないこともあったでしょうし……。」
お互いに労い合う。
「園田さんは、この後はどうされるんですか?」
「今日は近くのホテルで泊まる予定です。明日、休みをもらっているので、ゆっくり帰ろうかと。」
「いいですね。僕はこのまま新幹線ですよ。また、お会いできたら、ぜひご飯一緒に行きましょう!」
その言葉に橙子は微笑み、片付けをして、ホテルに帰った。
「お昼、食べた気がしなかった……。」
展示会スタッフとして忙しかったので、昼はゼリー飲料で済ました。ホテルの部屋に入った瞬間に、クゥ……とお腹が鳴る。
「そうだよね。お腹減ったよねぇ……。」
橙子は腹の虫に同意し、部屋で荷物を広げた。
「大きな駅だから、ご飯屋がいっぱいある……!」
橙子は目を輝かせる。スーツから楽なワンピースに着替えて、駅にきた橙子。キョロキョロと看板を見ながら、レストラン街を歩く。
「お寿司?ラーメン?どうせならお酒も飲みたいかも……。」
ぐるぐると歩きながら、ぶつぶつと独り言。ふと、橙子は足を止めた。
「オイスターバー……?」
おしゃれな雰囲気のレストラン。ポスターには、プリップリの牡蠣の写真。
「うわぁ……!あり!」
橙子が目を輝かせた。牡蠣は、橙子の好物の一つだ。橙子はじぶんの服装を見る。楽そうだけど、おしゃれなレストランに入っても問題なさそうな服装。
「よし!ここにしよう!」
橙子は意気揚々とレストランに入った。
「すごい……!」
メニューを見て、橙子は嬉しそうな声をあげる。少し考えて、店員を呼んだ。
「えっと、これとこれ……で、あとこれを!」
「かしこまりました。」
まるで執事かのように恭しくお辞儀をして立ち去る店員。
「いっぱい頼んじゃった……けど、いいよね。今日、頑張ったもん!」
橙子は、金額のことを少し考えたが、気にしないことにした。
「お待たせいたしました。」
「ありがとうございます!」
橙子の目の前に料理が並ぶ。焼き牡蠣、カキフライ、牡蠣のアヒージョ、牡蠣のクリームパスタだ。
「美味しそう……!そして、これ!」
料理の隣で輝くワイングラス。
「んふふ!牡蠣ならやっぱり白ワインだよね!」
橙子は焼き牡蠣を口に入れる。大きな牡蠣をグッと噛むとジュワッと口の中に旨みの詰まった汁が溢れた。そのまま、白ワインを飲む。
「ん〜!美味しい!」
カキフライも口に運ぶ。こちらは火傷が怖いので、半分に切ってからだ。
「カキフライ、最高……!」
橙子はまたワインを飲んだ。
「アヒージョも美味しい……!バゲットも一緒にしてよかった……!絶対このオイル美味しいよ!クリームパスタも食べ応えある……!」
感動しながら、どんどん食べ物を口に運ぶ。白ワインはあっという間になくなった。
「もう一杯欲しいけど、そのままだと酔いすぎちゃうな……。あ、これにしよ!」
橙子はオペレーターを注文する。オペレーターは白ワインとジンジャーエールを混ぜた爽やかな味のお酒だ。
「ん〜!美味しい!」
ジンジャーエールの炭酸がシュワシュワと弾け、また食が進む。料理がなくなる頃には橙子は、ほろ酔いになっていた。
「んふふ。ご馳走様でした〜!」
レストランを出て、橙子は駅内を歩く。
「気分もいいし、後輩にお土産買って帰っちゃお!」
橙子は出張での娯楽である食、つまり娯楽飯を堪能したのだった。
翌々日。
「先輩、お土産ありがとうございます!これむちゃくちゃいいチョコじゃないですか!」
「そうだね……。」
後輩のお礼に、曖昧に微笑む橙子。あの後、白ワインで楽しく酔った橙子は高級チョコを爆買いしてしまったのだった。酔っ払いの買い物は危険である。



