悪役令嬢に転生した干物女は酒の肴を食べたい。

「それで、今日は一緒に料理する約束でしょう。母上から許可を取ってあるから。初心者でも作りやすいものを選んだわ」
「ありがとうございます。わたくしもついに女神様の料理を作れるのですね!」

「クリティア、何作るの? おれも食べたい」

 クリティアが作るなら絶対和食だ。
 挙手するとクリティアの目つきが鋭くなる。

 その目が“食うなら手伝えヒモ”と言っている。

 手伝います。
 おれの本能がクリティアに逆らうなって言ってる。

 元カノたちなら「座ってていいよ天哉くん(ハァト)」って言ってくれたのにぃ。この人絶対前世では弟妹や年下のいとこを束ねる姉御だったよ。そうに違いない。


 クリティア専用キッチンにて。
 おれもジャージに着替えさせられた。
 ダブルのスーツ汚れたら大変だもんな。

 クリティアが腕まくりして、ボウルに炊いたごはんを入れる。
 
「今日はきなこ餅をつくるわ。まず餅の部分から。いつもはライスボールにするけど、これを粘り気が出るまでよくこねるの。塊になるまで頑張って」
「はい、お姉様!」