悪役令嬢に転生した干物女は酒の肴を食べたい。

「はたらく、ここで?」

「ええ。あなたに合うお仕事を用意するし、寝床もごはんも用意するわ。父上と母上に掛け合ってあげる」

 しばらく考え込んで、ルールーははねた。

「決めましたわ。ルールーは、クリティアのお世話になりますの!」

「これ、お嬢様を呼び捨てにするなんて、なんと恐れ多い」

 村長がたしなめるけれど、私は村長を止める。

「初めて人里におりてきたんだもの。人間社会の階級なんて知るはずもないわ。これから学べばいいじゃない。ルールー。それじゃあいったん、降りなさい。半日荷車に乗ったままならお腹が空いたでしょう? 何か用意するわ」

「よろしいんですの? ルールー、お野菜が好きですの」

 あ、獣人でも基礎はウサギなのね。

 さすがに母上も、腹ぺこな子に提供するためのご飯を作るなとは言うまい。

ちゃぶ台は私の部屋に運んでもらって、ルールーを私用の調理場に連れて行く。

「作るからそこに座って待っていてね」

 鍋でお湯を沸かす。お湯には砂糖で甘みをつけておく。
 にんじんを小さめの乱切りにして、煮込む。

 別の鍋ではざく切りしたキャベツを出汁で煮る。

 地球のウサギの生体と同じわけじゃないとは思うけれど、下手に油や肉を使わないほうがいいような気がする。
 実はウサギより進化していて何でもいけるかもしれないから、今後のために聞いておこう。

 とりあえずお腹をすかせているし、できたてを並べる。