悪役令嬢に転生した干物女は酒の肴を食べたい。

 母上から禁酒命令がくだされて少し経ち、フローレンスの屋敷にヨイがやってきた。

 あれ以来さらにジャージを追加注文してくれて、今日はお出かけ用ジャージ(ピンクのリボンつき)を着用している。
 ヨイのピンクの髪色と相まって可愛らしい。

 私が着ると“息子の中学生時代のジャージを寝間着にするおばちゃん”なのに、ヨイが着ていると最先端のオシャレ着に見えるのはなんだろう。

 美少女補正?
 内面からくる美しさがジャージを天女の羽衣のようにしているのかしら。

 ヨイが桐箱をうやうやしく捧げ持つ。

「クリティア様。先日はタコの捕まえ方と調理法を伝授してくださってありがとうございます。こちら両親とわたし、領民からのお礼です」

「うふふ。お礼なんてそんな。大したことじゃないですよ」

 あけてびっくり、箱に入っていたのは細長い瓶。ワインよりゴツい。

 これはたぶん酒だ。