悪役令嬢に転生した干物女は酒の肴を食べたい。

 紙に書き起こして、さっそく木彫り職人のおじいさんに再現してもらう。

「さすが我が領地の誇る職人! 私の理想通りの仕上がりよ! マゴノテステッキ!」

 出来上がった代物は、肩たたき付き孫の手だ。

 持ち手のところにゴルフボールサイズの玉をつくっているから、肩たたきもできるスグレモノ。


「…………ま、マゴノテ? 姉上。なんていうか、その、奇抜なデザインの杖ですね。ジャージと妙に相性が良いというか。木製だと退魔属性は付与されそうですが、なぜこのような形に」

「背中の痒いところに、この手が届くの。このボールで肩を叩くと程よくほぐれるの」

「そんな得意げな顔で言われても」

 困惑気味のクロムに反して、クリエイターのおじいさんおばあさんたちには好評だ。

「あれまぁ。これなら手が届かないところが凝っていてもほぐれていいねぇ。身近な余っている木材でこういうのを作るのも悪くないねぇ」

「そうでしょそうでしょ。これをフローレンス領の特産品にしましょう」

「ださ…………コホン。姉上。もうすこしデザイン、なんとかならないんですか」

「そうね、じゃあこの玉の部分をおにぎり型にしましょう」

「ウワァ、より一層ダサくなっていく……」

 弟には不評だけど、職人のおじいさんたちが喜んでるからオーケー!