悪役令嬢に転生した干物女は酒の肴を食べたい。

 私は太った。

 そりゃもう見事に、コケシのような寸胴になった。

 そして母上が眉を釣り上げ、私の肩に手を置いてがくんがくん揺さぶってくる。

「だらしがなさすぎです! 食べ物を作るたびお酒を飲むから太るのです、クリティア。しばらく料理は禁止です!」

「そんな、ははうえええええええ!!!! おにぎりは私の体でビールは私の血なんです、私からビールをとりあげないでえええぇ!!!」

 血涙レベルで懇願するけれど、母上は聞いてくれない。

「ビールが血なわけありません! その手に握るビールジョッキを水に変えてダイエットなさい! 料理を作るのもしばらく禁止です。作らなければビールを飲まないでしょう!」

「ぐすん……。私の人生の楽しみを奪わないでぇ」

「他の楽しみを見つけなさい。太らないようなものを!」