悪役令嬢に転生した干物女は酒の肴を食べたい。

「ローストビーフとはまた違う調理で勉強になりますなあ」

「私もデールの料理は見ていて勉強になるわ。すごく手際がいいもの」

「祖父の代からフローレンスの料理人として仕えておりますゆえ。祖父から包丁さばきやら火加減やらみっちり叩き込まれました。厳しかったけれど、だからこそ今のわたくしめがおります」

「いいわね、そういうの」

 子供の頃に料理の基礎を教えてくれたのは、おばあちゃん。

 元気にしているかな、ヒロエばあちゃん。

 できるなら、ばあちゃんの打ったうどんを食べたいわ。
 鍋を火からおろし、肉を料理用の紙で包んで、粗熱が取れてから魔法冷蔵庫で冷ます。

「まだ完成じゃないんですかぁ。早く食べたいです」

「クック、お嬢様に失礼よ」

 ご飯ができるのを待ちきれない子供みたいなことを言い出したクック。

 (ジーニャ)にたしなめられて、しょぼくれた。

 肉を冷やしている間に、肉を転がしていたフライパンに煮汁をお玉で注ぐ。

 砂糖と塩、ニンニクを入れて煮立たせたら煮豚用のタレが出来上がり。

 糸をとって切り分けた煮豚にタレをかけて、いただきます!

「うーーん、美味しい!! さすが私! 肉の旨みが、肉汁がタレに滲み出ているからコクがあるわあ。ビールビール! ビール飲まなきゃ!」

「ああーーーー、僕たちにも試食させてくださいよ!」

「わ、わたしも!」

 みんなで試食タイム。白米も進むわあ!