悪役令嬢に転生した干物女は酒の肴を食べたい。

 え。レストランじゃないのかって?

 店舗を経営するって、まず勝算がないとできないもの。
 キッチンカー第一弾は、焼き鳥。

 焼き鳥は開店前に食べられるほどに焼いておいて、魔法保冷庫に納めておく。

 注文が入ったら温め直す。

 これで食中毒はある程度防げるはずだ。それに焼き立てを提供することができる。

 屋敷の調理場担当の使用人、クックを調理補助として連れてきている。

 売り子は侍女のジーニャ。

 この二人、実は夫婦らしい。

 冷静に仕事をこなしてくれるジーニャに料理上手なクック。最高のパートナーなのね。

 阿吽の呼吸で準備を手伝ってくれる。

 初めての開店から一時間。
 物珍しそうに覗いてはくれるものの、買うまでにはいたらない。

 お客さんたち安定思考かな。

 見たことないものは美味しいかどうか分からないから買いたくないって日本でもよくあるものね。

 自分で食べて「美味しいよ!」って言うのは……はワザとらしくて怪しまれちゃうか。
 悩んでいると、ミラとミゲル姉弟がお忍びでやってきた。