悪役令嬢に転生した干物女は酒の肴を食べたい。

「あー、焼き鳥食いてぇ……」

 ごきげんよう、クリティアです。

 悪役令嬢に転生したことに気づいて三日。

 美人は三日で飽きる。

 セレブ生活も三日で飽きる。

 私が転生したのは、悪役令嬢のクリティア20歳。

 一個下の弟がいるから家督の問題はナッシング。

 普通に令嬢生活を楽しめれば良かったんだろうけどさ…………………。

 侍女に退室してもらって、私は一人どでかいベッドに寝転がる。

「あーーー…………ビール飲みたい。塩焼き鳥でモツ煮を流し込みたい、たこわさびのせた白米食べたい…………」

 完全なる日本食シックである。

 ホームシックならぬ日本食シック。

 毎日出てくる銀座のフレンチみたいな食事を、脳みそが拒絶している。

 いや、美味しいのよ。すごく。

 この家のお抱え料理人は腕がいいね。

 でも貧乏舌の私に合わない。

 スーパーの半額シールが貼られた焼き鳥をレンチンして頬張るのがイイんだよ。