悪役令嬢に転生した干物女は酒の肴を食べたい。

「姉上、舞踏会でジャージはやめた方がいいとあれほど……」

「大丈夫よ。ダサいダサいと遠回しにクロムが言うものだから、布地はシルクにして、ジャージの縫い糸の色を銀色にしてもらったの。ドレスに使われるのと同じものよ」

「ドレス用の布と糸を使っていてもジャージから離れないのはなぜですか。そんな格好では王子の目に止まるどころか笑いのタネですよ。ああ、頭が痛くなる」

「あら大変。医者に診てもらった方がいいわよクロム」

 なぜか責めるような目を向けてくる弟。

 本当はジャージを着たかったのかな?

「わあ!  お姉様も呼ばれていたのですね」

「ごきげんよう、クリティア様、クロム様。新作のジャージですか? いつもよりキラキラして綺麗ですね」

「ミラ様、ヨイ様。ごきげんよう」

 この二人は並ぶと絵になるなあ。

 ゲームのパッケージにイケメンたちと並んで載っていそうなビジュアル。

 ミゲルがいないのはお察しである。

 あいつなんかそれっぽい理由を作って逃げたな。