悪役令嬢に転生した干物女は酒の肴を食べたい。

「ヨイお嬢様、クリティア様、お下がりください! 今回の網にもかかったようです。なんと不気味な姿なのだ。頭から直に足が生えているなんて。しかも黒い液体を吹き付けてきて、対処の仕方がわからないのです!」

「そんな! また網にかかるなんて。このままではユージーン領はおしまいだわ!」

 跳ねる魚に混じってうごめいているのは、タコだった。

 私が食べたくて仕方なかったあれ!

「落ち着いて、みんな。こいつは魔物じゃないわ。魚の一種でタコというの。食べられるわ」

「た、食べる? こんな気持ち悪いウネウネをですか!?」

 目の前で八本の足をウネウネさせているタコ。

 そういや、現代でも欧州あたりではタコを悪魔の魚って呼んでいたわね。

 食べない国は食べない。

 日本人の食に対する貪欲さって諸外国でも恐れられていたっけ。

 食文化の違いはやはり異世界でも同じかぁ。