悪役令嬢に転生した干物女は酒の肴を食べたい。

「やあクリティア、来たよ〜。あ、すまし汁だ! おれの分はないの?」

 婚約者になることを諦めてないヒモが来た。

 素通りさせるなよ使用人の皆。

「ジャージを売った金で買って来た煮干しなので、対価を払ってくれないと渡しません」

「対価はおれの愛。養ってくれるなら毎日愛を囁くよ。料理上手な人は素敵だよ、クリティア。だからおれにも、すまし汁ちょーだい!」

「そちらは受け付けていないんですよー。現金払いでお願いできます?」

「あはは。面白いなぁ。ここまでおれに辛辣な女、初めて」

 天哉を養って愛されたかった元カノさんたちは、疲れていたのかしら。

 それともダメンズを矯正しようと尽力していた?

 干物には理解できないわ。

「お嬢様宛の贈り物が届いています」

 ジーニャがなんかでかい包みを抱えてきた。

「開けてみて」

「はい」

 覆いの布を取ると、ロブソンの肖像画だった。

 しかも雑誌モデルみたいなクネクネしたポーズを決めている。

「海外留学することになった。これを僕だと思って毎日キスをしておくれ、と裏に書かれております」

 こんなゴミいらねーーーーー!

「わー。これがお花畑かぁ。クリティア、おれにちょうだい。毎日顔面にパンチするから」

「どうぞどうぞ」

 平和的解決。

 ゴミ処理のお礼にすまし汁を一杯提供した。