悪役令嬢に転生した干物女は酒の肴を食べたい。

 いつものジャージに着替えて、いざクッキング。

 デールがメモをスタンバイ。

「何を買ってきたんですか、お嬢様」

「煮干しよ。これですまし汁を作るわ」

「ほほう! ぼくの作るスープとは違うんですか」

「そうね。デールの具だくさんのスープも美味しいけれど、今回の具は卵だけ。すまし汁は出汁が主役なの」

 煮干しと昆布は出汁を取って、ザルに上げておく。

 捨てるなんてもったいない。

 もう一度干して、おやつに食べよう。

 こして細かいものを取り除いたら、塩と少々の白ワインで調節。

 醤油が欲しいところだけど、西洋風異世界だからねぇ……。

 沸騰させないように気をつけながら温めて、溶き卵を流し込む。

 菜箸でゆっくりかき混ぜて出来上がりだ。

 酒を飲みすぎたあとにはイイねぇ。

 久々の和の出汁が胃にしみる。