悪役令嬢に転生した干物女は酒の肴を食べたい。

 一応魔法も研究されている世界で、氷魔法を応用した冷蔵庫もあるけど生産数が少ない。

 だから冷蔵庫は金のある人しか持っていない。

 私、この世界に生まれても貴族でなかったら簡単に肉を食べられなかったんだね。

 目的もなく市場を歩き回り、魚の店で足が止まった。

 ガタイのいい坊主頭の店主と目が合う。

「お! どうだい嬢ちゃん、海藻と魚の干物買わんかね。ごっつう美味いぞ!」

 干物に干物を売るとは良い目をしているね。

 長期保存するには燻製か干すか塩漬け。

 水分が抜けてガチガチになった小魚は、そう。

 煮干しである。

 乾燥昆布っぽいものもある。

 出汁系のモノが作れるじゃないですかー。

「買うわ」

 ジャージ販売で得た収益は干物になった。

 私の財布の紐は食に関することになるとゆるゆるだ。

 煮干しと昆布をゲットして屋敷に戻ってきた。