悪役令嬢に転生した干物女は酒の肴を食べたい。

 メイドに案内されて舞踏会の会場に入った。

 絵本シンデレラの挿絵みたいなドレスの令嬢が何人もいる。

 その中に異物(ジャージ)娘混入。

 令嬢たちの視線が一斉にこちらに向く。

「クリティア様、そのお召し物はなんですの?」

「最近開発したジャージです。ドレスに引けを取らないくらい動きやすくていいですよ!」

 ドヤァ!

 宣伝のためにこういう場で着ておかねばという使命感で、私はジャージ姿だ。

 これは試作を重ねた第三弾。

 初代よりしなやかさがアップしている。

 吸湿性もアップしているのに、汗染みが目立たない。

 汗を吸着しても臭いが出ないよう魔法の素材を組み込んでいる。

 クロムには男性用ジャージを着てほしかったのに、クロムはジャージを嫌がってタキシード姿だ。

「あ、姉上、やはりドレスで来たほうがよかったのでは」

「いいえ、これまで試す人がいなかっただけ。ジャージの時代はすぐそこよ」