悪役令嬢に転生した干物女は酒の肴を食べたい。

「焼き鳥と串かつ、おにぎりを出せば物珍しさもあって楽しんでいただけるのではないかしら」

「はい! お姉様のレシピだと紹介します」

「私のレシピ……というか、天の思し召し?」

 私が一人で考えたみたいに思われるのは困る。

 先人の知恵、レシピ本を読んで覚えたんだから。

 せめて料理の神様からの声を受信した体でいきたい。

「お姉様は料理の神様の声を聴けるのですね。まさか、伝承に残る聖女」

 んなわけあるかい。

「お嬢様、いつもの手紙が届いています」

 もう誰からなのかすら言わなくなったジーニャ。

 言わずともわかる。

 一応、男爵家のどなたかがお亡くなりなどの緊急連絡の可能性もあるから開いてみる。

【地上に舞い降りた妖精クリティア

 来月隣国で夜会があるんだ。そのとき僕の隣を歩くパートナーは君しかいない。僕の妻にふさわしいクリティア。僕の燃える熱い思いを受け止め……】

 僕とミラの仲を割かないでくれ!

 とパーティーで叫んでいたのは記憶の彼方に消し去ったんだろうか。

 焼き釜に入れてお焚き上げ。

 今日もロミオメールがよく燃えているわ。