悪役令嬢に転生した干物女は酒の肴を食べたい。

 社交ダンスの練習の数日後。

 ミラから相談を受けた。

「近々我が家で簡易の酒宴を開くのです。この間お姉様が作ったような、立食形式でも手軽に食べられるものがほしいのです」

「私を頼ってくれるなんて嬉しいわ。ぜひ協力させて」

 この国の立食パーティーで出るものは、サンドイッチとクラッカーくらい。

 同じように軽くつまめて手が汚れないものが理想ね。

 そういえば今日の朝食にはピラフが出てきたわ。

 ということは。

 手軽に食べられるアレがあるじゃない。

「決めたわ! おにぎりにしましょう!」

「おにぎり、ですの?」

「英語で言うならライスボール! さっそく調理場に行きましょう」

 ジャージのまま調理場にお邪魔する。

 もう私が料理を始めても、料理人のデールおじさんはツッコまなくなってきた。