悪役令嬢に転生した干物女は酒の肴を食べたい。

「お姉様、面白いですわね。煮汁がとてもきれいな色です」
「そうでしょそうでしょ。ミゲル、コリン。米を持ってきてー」
「はーい。ちょっとミゲル! あんまり力を入れてといだらだめって言ってるでしょ!」

 何やら米をとぐだけなのに、二人はまたケンカしていたらしい。互いにローキックをくりかえしている。
 二人とも中身は二十歳過ぎたいい大人だよね? それとも転生すると、転生体と同じ精神年齢になるのか。

「けんかしないの。ちょっとこっちの鍋に入れてくれる?」
「はい。これでいいかな」
「よしよし」

 鍋に米、そこに豆の煮汁だけを先にそそぐ。手で混ぜて全体に煮汁をなじませたら、米の上に豆を乗せる。中に豆を混ぜてしまうと、炊きあがりの柔らかさにムラが出てしまうのだ。

「あとは炊くだけよ!」

 フタを閉めて弱火にかけたところで、ヨイが昨日買った野菜を持ってきた。
 つやつや質のいいキュウリとカブだ。