「わあ! カラメルも乗ってるやつにするの? 素敵素敵!」
「シュークリームのときも思ったけど、あなたは卵を使った料理全般好きねぇ」
「うん。マヨネーズたっぷりのたまごサンドも大好きよ!」
コリンは無邪気に笑う。
中身は日本人の庶民だから、公爵家のご令嬢なのにプリン一つでスキップしている。
使用人の皆さんもコリンの嬉しそうな姿を見て微笑んでいる。
「お嬢様はクリティア様がいらっしゃるようになってから笑顔が増えました。喜ばしいことです。我々も大変嬉しく思っております」
「私もコリンと話すのは楽しいから、お互い様よ」
聞けば、前世の記憶を取り戻す前のコリン・チョコザイナー……ゲーム準拠のコリンはとてもわがままで、令嬢としての教育を受けるのを嫌がり、親にも使用人にも反抗してばかりだったらしい。
コリンの性格が大きく変わったのは、私と会って以降。
【クリティア・フローレンスが年上の令嬢として、コリンに令嬢としての何たるかを説いたから】と思われているらしい。
私は関係ないし、単に日本人の天真爛漫な女の子が転生したからなのだが、まあこの世界の人に異世界転生云々がわかるはずもない。
とりあえず、コリンが使用人のみんなから愛されているのなら問題なし。
深めのフライパンにプリンカップの半分くらいの高さまでのお湯を沸かして、そこにカップを並べる。
《《す》》が入らないように、ごく弱火で蒸らしていく。甘い香りが厨房に漂う。
「うふふふ、いい香りいい香りー! 夕飯のあとなのにデザートを用意するなんて、なんだか悪いことしてる気分」
「一食くらいならそう太らないわよ、コリン」
「それもそうね! 気にせず食べちゃう!」
表面が固まってきたら串をさして仲間に火が通っているか確認。
「よし。あとは粗熱が取れたら冷蔵庫よ」
「はーい!」
冷蔵庫に並べたら、それぞれお風呂タイム突入だ。
お風呂あがりは三人でコリンの部屋に集まって、程よく冷えたプリンをいただく。
パジャマパーティーなんて、なんだかユージーン家の屋敷でやった夏合宿を思い出すね。
「まぁまぁ。プディングなんてひさしぶりです。上に甘くて茶色いものが乗っている……このスタイルは初めて見ました」
「上に乗っているのはカラメルです。水と砂糖を煮詰めればできますよ」
オーキナ国はシンプルな料理が多くて、プリン……プディングもカラメルを乗せないタイプだ。
ヨイはそっとスプーンをさして一口。



