悪役令嬢に転生した干物女は酒の肴を食べたい。

 こんな可愛い子が自分のために作ってくれて、天使のような微笑みで感想を聞いてくるんだよ。

 マズいって言えるか。

 根性で食べて、口の中がジャリジャリする。

「お姉様、どうでしょう?」

「とても良いわ。次は私と一緒に作りましょう」

「楽しみですわ!」

 焼き時間の指導をしないと、この子、また炭を錬成するわ。

 クロムも苦味を消すためにお茶をがぶ飲みしている。

「お嬢様、ロブソン男爵からお手紙が届きました」

 懲りないなアイツ。

「婚約解消になったのに、姉上になんの用なんだ」

 私が返事するより先に、クロムが横から手紙をかっさらって封を開いた。

 文面に目を走らせて顔をしかめ、ジーニャに渡す。

「ゴミだ。燃やせ」

「かしこまりました」

 クロムの反応がすべてを物語る。

 なんと書いてあったのかはお察し。

 聞かぬが花である。

 そんなわけで、今日もまたロミオメールが燃えていく。