良い肉質のフロー豚かたまり肉を、よく叩いて表面に細かく切り込みを入れ、コショウと香草をまぶす。さらに塩釜生地で隙間なく包み込む。
「まぁ。塩を混ぜた卵白でくるんでしまうんですね。こんなに塩を使って、お肉が食べられなくなるくらいしょっぱくなってしまいませんか?」
「大丈夫だよヨイ。クリティアが言うんだからなんとかなるなる」
無責任なことをさらっと言うミゲル。
いつの間にか薪を両脇に抱えている。
「あとは石窯で焼き上げるんでしょ。外から薪をもらってきたよ! おれ手伝ったから多目に肉ちょーだい!」
「別にいいけど、あんたはいくつになっても食い意地はってるわねぇ。次期子爵だしお行儀よくしようなんて考えないのね」
「アハハ。周りからどう見られるかを気にしてお行儀いいおれって、それはもうおれじゃないや」
見た目は申し分ないのにね。ヒモがINしちゃったからかなり自由人だ。鼻歌なんてうたいながら薪を窯の中に入れて火をつける。
なんだかんだ、率先して手伝ってくれるし、ヒモ気質は改善されつつある。
「私はここの窯を使うのは初めてだから、ここの料理人に温度調節のコツを聞いておきたいわね」
「おまかせください!」



