悪役令嬢に転生した干物女は酒の肴を食べたい。

 豆を買ってきたはいいものの、料理するために数時間吸水させないといけない。
 さすがに今日買ってすぐってわけにいかないから、豆だけ水に浸して赤飯作りは明日にまわす。

 コリンの店の厨房を借りて、いざ調理開始だ。
 コリンが慣れた手つきで卵白を泡立てて、きれいなメレンゲができる。

「ここまでは他の料理と同じですわね。ここに塩を入れるんですか、クリティア様」
「ええ。どーんと!」

 ひとつまみなんて優しいもんじゃなく、目算1キログラムほど。
 コリンも引くくらいの量だ。
 さらに、先ほど市場で仕入れた香草を刻んで塩釜ベースに混ぜこむ。まるで白い粘土。

「魚を使うのが主流だけど、今回はこれを使うわ! 我がフローレンス領の血統、フロー豚のロース肉! クロムとミラの結婚祝いにふさわしい食材だと思うのよ!」