悪役令嬢に転生した干物女は酒の肴を食べたい。

 教室に入ると、生徒のシャーリィがバスケットを抱えて駆け寄ってくる。

「クリティア先生ー! 見て見て。家で作ってきたんだ! 食べてみて!」
「あら美味しそう! 腕を上げたわねシャーリィ」

 シャーリィが持ってきたのはごま塩むすび。
 形はきれい、握りもよし。口に含めばふんわりほぐれる。美味。とても美味なり。

 初日では米をたくときに水分を多くしすぎておかゆになっていたから、すごく進歩している。

「美味しい! 今からでもお店を出せるくらいよ!」
「本当ですか? わぁ、うれしいなぁ! お店を開いたら先生が一番最初のお客様になってくださいね」
「もちろんよ。朝イチで並んで食べに行くわ!」

 シャーリィのおにぎりを試食したら、次から次へ、俺もわたしもと生徒がお弁当を持ってくる。
 流石に私の胃袋にも限界があるぜよ。
 食べきれない分は持ち帰ってクロムとミラに分けてあげよう。

 早よ告白しろと思っていたが、弟は去年の冬ついにミラに求婚して、オーケーをもらった。
 なのでミラは今、ミラ・フローレンス子爵夫人である。

 可愛い妹ができて嬉しいねぇ。