悪役令嬢に転生した干物女は酒の肴を食べたい。


 ああ、この世界に来てラーメンを食べる日が来るなんて、幸せ。

 ちゃぶ台に並べてみんなで手を合わせ、いただきます!
 転生組以外のみんなが恐る恐るという感じでラーメンを見つめる中、ミゲルがズルズルと音を立てながら麺をすする。

 煮豚を一枚まるごと口に放り込んで、丼のフチに口をつけてスープをすする。

「プッハァ! うんめぇーーーー!! これだよこれ! おれずっとラーメンが食べたかったんだよ!!」

 袖で口の周りについた脂をふきふき、また麺をすする。

「み、ミゲル。そんな大きな音を立てて麺を食べるなんてお行儀が悪いですわ! 袖が汚れて……」
「あははは。何言ってんのさ姉上ぇ。ラーメンってこういうものだよ」

 前世日本人のヒモ男子、お行儀悪いことは気にしない。

 私もそこまで行儀悪くはしないけど、ミゲルがしたように音を立ててラーメンをすする。

 醤油スープは、ショウガできちんと臭み消しできているから香りがいい。煮豚も煮卵も、いい風味。

「おいしいいい! 作ってよかった! さぁみんなも食べて。ラーメンは音を立てて食べるのが良いのよ」

 コリンも元日本人だからためらいなく麺をすすり。スープを飲む。

「おいひぃ! はふ、ちゅるるる! んー! 醤油ラーメンもいいわね!煮卵おいしぃ!」

 クックも、一口すすり、目をみはって一気にすする。