悪役令嬢に転生した干物女は酒の肴を食べたい。

 第三勢力(わたし)の参戦により、郎系あっさり系ラーメン戦争の火がさらに大きくなった。

 小さなキッチンカーで味のジャンルが違うラーメンを三種類も出せない。

 三人で額を突き合わせて話し合いした結果。
 間を取って、鶏ガラ醤油ラーメン(トッピングは煮豚とコーン、煮卵)になった。

「クロム様。わたくし、三人が何を話しているのか全くわかりません。脂カラメとはなんでしょう」
「安心してくださいミラ様。俺も三人の話がわからないです」

 転生組以外が置いてけぼりを食っているので、使用人とジャージ隊の一同に改めて説明する。

「ええとね。私が作りたいのはラーメン。うどんみたいな麺料理だけど、うどんよりずっと麺が細くて、スープは鶏を煮込んだもの、トッピングに煮豚とコーンと煮卵を乗せます」

「僕たちは何か手伝えることありますか」

 クックがメモを手に聞いてくる。

「そうね。全部私が作るのは骨が折れるわ。クックには煮豚を、デールには煮卵を頼むわ。ゆでたまごを作ったら殻をむいて、温かいうちに醤油と砂糖、水の調味液に漬け込んで欲しいの」
「かしこまりました! では屋敷の調理場で仕込んできます」

 料理人二人が各自の作業に取り掛かる。
 とくに煮豚は手間がかかるから、料理の腕がいいクックが作ってくれると助かる。

「じゃあじゃあ! あたし、ゆでとうもろこし作る!」
「いやいやおれが!」
「あたしが!」

 コリンとミゲルが役目を奪い合う。

「二人でやりなさい」

 この二人ほんと、気が合うんだか合わないんだか。