悪役令嬢に転生した干物女は酒の肴を食べたい。

「ようこそ、いらっしゃいませミラ様かミゲル様。……姉上、またやぼったいものを開発したんですね………。もう少し見栄えというものを意識したほうがい良いのではないでしょうか」

 コタツを見るなりクロムの表情がひきつった。

 クロムはジャージも孫の手もはんてんもダサいって一蹴するんだもんなぁ。
 便利ならなんでもいいじゃんと私は思うけれど、クロムは見た目も気にしろと言う。

 ちょくちょくお小言を言われるし……あれ、なんか姉と弟の立場逆?

「見た目はちょっとアレだけどあったかいのよ! コタツは正義! あなたも入ればわかるわ! 我が領地を発展させる希望の星。冬に外せない商品よ!」
「はぁ………わかりました」
 
 しぶしぶ靴を脱ぎ、小上がりにあがる。そしてコタツに足を入れるなり目をみはった。

「あははは。あったかいよねー、いいよねぇコタツ。顔に書いてあるよクロム。素直になりなって。ダサくてもコタツは良いものなんだよ」
「そうですねミゲル様」

 ニヤニヤと笑うミゲル。クロムがコタツ内でミゲルに蹴りを入れた。ミゲルが笑顔を保ったまま反撃する。

 私は気配を察知して、サッと足を引っ込める。
 ミラも湯呑みを持って避難した。
 コタツ内で喧嘩する弟たち。

 ハッハッハ。クールな堅物に見えてうちの弟、意外と子どもっぽいわ。