悪役令嬢に転生した干物女は酒の肴を食べたい。


 あとはライスバンズを焼くだけなのだ。
 ごはんを直径10cmくらいの円盤型にして、油を引いた鉄板で焼くべし焼くべし! 

 両面にこんがり焼き色がついたらレタスと、甘から砂糖醤油で焼いた焼肉乗せてマヨネーズをちょいとかけて、もう一枚のバンズで挟む。
 きんぴらバーガーも細切りにんじんとゴボウ(ゴボウに似ている野菜だからゴボウと呼ぶ)を醤油で炒めたやつだ。

「ライスバーガー、完成! さ、ルールー。食べてみて」
「いただきますの!」

 きんぴらバーガーをルールーに渡すと、ルールーはぴょんぴょん跳ねてかぶりつく。

「ぴゃー! おいしいですの! やわらかとカリカリですの! オショーユがいい香りですの!」
「ふふふ。お口にあって良かったわ」

 やはりうさぎ獣人はにんじん大好物。
 市を歩いていたお客さんが、ルールーの食べっぷりを見て列を作る。

 「焼肉一つ!」
「はい。まいどあり!」

 ご新規のおじさんが、焼肉バーガー買ったその場でかぶりつく。 
  
「ふがーーー! うんめー!!! なんだ、これ! 薄切り牛肉が甘じょっぱくて、焦げ目のついたライスと相性バツグン。おかわり! 嬢ちゃん、おかわりくれ! 三つ買う!」

「はーい。列の後ろに並び直してね! ちなみに焼鳥とも相性いいわよー! 五十本買う人もいるわ」
「そんなに!? 食う食う!」

 やはり肉。肉は正義である。
 焼き鳥を五十本買った人は言わずもがな、腹ぺこ魔神カインである。

「焼き鳥はフローレンス領のレストランでも出しているからよろしくー」
「カッカッカ。商売上手だなぁ嬢ちゃん!」


 なおこのおじさんの来店から三十分後、件のアフロ頭の食欲魔神が降臨してライスバーガーにどハマりする。
 ライスバーガーはレストランの新メニューに加えることとなった。