悪役令嬢に転生した干物女は酒の肴を食べたい。

 さて、本日は良き日だ。
 じつはこっそり用意していた、和食で外せない調味料、アレがついに完成したのだ。

 茹でたデカ豆をペースト状になるまですりつぶし、麹と塩を入れて壺に保管してはやひと月。

 自家製味噌の完成である。

 このしょっぱい匂い、ほんと美味しい匂い。匂いだけで白米二杯いける。
 もっともっと半年くらい熟成させれば旨味は増すけど、いったん味見をしたい。

 転生組を呼び寄せて振る舞うっきゃないでしょ!

 近々キッチンカーで新作を出そうと思っていたから、二人を呼んで味見を頼んだ。

「ミゲル、コリン。今日は味噌ができたから味噌汁を作るわ!」

「ほんと!? 味噌ができたのね!! あたし豚汁がいい! 大根多めでね!」

「あ、ずるい。おれも! 野菜切るの手伝うからたくさん食べたい!」

「それじゃご飯も炊いておきましょうね」

 やはり前世日本人。二人とも浮足立っている。
 私も今ウッキウキだ。だって味噌汁よ! 味噌汁! 一年以上ぶり!