悪役令嬢に転生した干物女は酒の肴を食べたい。

「姉上、ロブソンに婚約破棄されたと聞きました!!」

 他国に留学していた弟クロムが帰ってきた。

 広間でダンスレッスンしていたところだったから、弟の声がよく響く。

 家に飾られている絵で見ていたから弟の顔は知っていたけれど、私としての対面は初めて。

 クリティアにすごくよく似てるわ。

「落ち着いてクロム。もう済んだことよ」

「……これが落ち着いていられ……って、なんなんです姉上、その珍妙な格好は!?」

「珍妙ではありません。これはマダム・ソアラに依頼して仕立ててもらったジャージですわ!」

 ドレスはコルセットが苦しいから着たくないし、かと言ってメイド服は使用人たちがやめてくださいと言って泣く。

 だからフローレンス家お抱えの仕立て屋に絵を渡して作ってもらった。

 今着ているのは試作品第一号だ。

 これなら一人で着替えられるし、締め付けられないし、動きやすいし、汚れるのも気にしなくて済む。

 ジャージ最高!