悪役令嬢に転生した干物女は酒の肴を食べたい。

 美少女ミラはドレスジャージも華麗に着こなす。ミラが現れた途端まわりの男性陣がそわそわしだす。
「なんて麗しいんだ。ミラさんをダンスに誘いたい」「さすがミーティア嬢、何を着ても可愛い」と呟いているのが聞こえてくる。
 さすが乙女ゲームの主人公。いろんな男がミラの虜。
 ミゲルはさっきからずっと笑っている。

「クリティアー。キラッキラの舞踏会でジャージがひしめく光景、意味わかんなくてずっと腹筋が痛いんだけど。なにここ修学旅行の旅館?」
「何かに似ていると思ったらそれだ」

 旅館でお風呂後はみんな体操着に着替えている。あの感じだ。

「クリティアー、ってミゲルもいたのね」

 コリンが駆け寄ってきた。
 あずき色のジャージがよく似合っている。

「あっちでヨイを見かけたわよ。腕試しって言って騎士に腕相撲挑んでる」
「舞踏会にきて腕相撲してるの?」
「そうなの! ちなみにヨイの勝利。思わず拍手しちゃった」
「おれは騎士に勝てる自信ないやー。ヨイすごいね」
「楽しそうだわ。見に行ってみましょう」

 ひたすら鍛えて強くなり、ヨイはどこを目指しているんだろう。
 女騎士? 武闘家?

 武闘家としてのし上がる令嬢。それはそれで見てみたい気もする。

「クリティア様! クリティア様も参加しませんか、腕相撲!」
「そうねー、挑戦しようかしら」
「なら、おれと対戦しようよクリティア。さすがに13歳でも男だし、クリティアよりは強いと思うんだよね」

 ケンカを売る相手を間違えたなミゲル。

「ヨイ様ー、ミゲルがヨイ様に勝てるって豪語してるわー!」
「まあまあ! ではミゲル様、お手合わせ願いますわ!」
「おれそんなこと言ってな、ぎゃーーーー!!」
 
 舞踏会の一角で盛り上がる腕相撲大会。
 舞踏会に何しに来たんだ私たち。