悪役令嬢に転生した干物女は酒の肴を食べたい。

「アーティ様。勝負とは一体? 私には剣の心得がないのですが」
「ミラがお前の誕生日パーティーを開いたと聞いた。オレなんて、一度もミラに誕生日パーティー開いてもらったことないのに。オレはずっとミラを見てきたのに好きな気持ちに気づいてもらえない。お前が身を引けばミラはオレを見てくれるはずなんだ!」

 拗らせ系片思い男うぜぇわ。
 と思ったけど口には出さないでおく。

「それ、ミラ様に直接言ってもらえません?」
「あたしもそう思う。アーティ。ミラが来るのを待ってないで、あなたからミラに会いに行きなさいよ。待ちの姿勢じゃ女の子の心は掴めないわよ」

 わー、言っちゃった。
 幼い令嬢に正論でぶっ刺され、アーティは膝から崩れ落ちた。

「そうか、そうだな。オレ、ミラに会いに行くよ」

 フラフラと出ていった。
 なんていうんだっけ、これ。
 死亡フラグ?

「ねぇコリン。ミラはロブソンにしつこく言い寄られてブチ切れてたから、アーティが告白に行ったら追い返しかねない気がするのだけど」
「そうね。あたしでも嫌」

 数日後、アーティがまた乗り込んできた。

「ミラに振られたじゃないか! お前が会いにいけって言ったのに!」
「知らんがな」

 使用人を呼んでつまみ出してもらった。