悪役令嬢に転生した干物女は酒の肴を食べたい。

「バーは、……棒? ならべキューとは一体。どこの国の料理かしら」
「はい! はい!! あたしわかる! 任せて! 味付けはできないけれど、バーベキューがどういうものかならわかるわ! 夏らしくていいわね、高校の友達に誘われてやったことあるわ!」

 コリン様が自信満々で右手を挙げました。

「高校の?? ……もしかしてコリンってニホンジン?」

 ミゲルが聞くと、コリン様は大きく驚きました。

「へ?? ミゲル。もしかしてあなたもテンセイシャなの? どうりでゲームと違って変な子なわけだわ。本当のミゲルなら紳士的なキャラだもん。クリティアったらなんでミゲルの正体を教えてくれなかったのかしら」

「変って失礼だなぁ。そっちこそ、クリティアのこと知ってたのか」

「もっちろん。あたしとクリティアはマブダチよ! タコ焼きだってあたしがおねだりしたんだから! ほんとうは銀座のカフェに出てくるようなパフェやクレープを食べたいけど、食材の都合でこっちじゃ作るの難しいって言われて」

「へへーん。おれは天丼作ってもらったんだぞ! こっちじゃ作れる人間はクリティアくらいだからな!」 

 あらあらあら。ミゲルってばもしかしてクリティア様に振られたあとはコリン様に惚れたのかしら。
 恋多き男の子ね、わたくしの弟。

 ここは姉としてミゲルの新しい恋を応援しましょう。