悪役令嬢に転生した干物女は酒の肴を食べたい。

 わたくしがお誕生日祝いのパーティーをしたいとクロム様に相談を持ちかけましたところ、すぐにこの案を提示してくださったのです。

 さすがは弟君です。クロム様もお姉さんを祝いたいのですね。
 ミゲルが椅子にまたがりながら手を上げます。

「姉上ー。サプライズって言ってもさ、クリティアの場合どう考えても喜ぶのは肉だよ、肉。あと、飲み屋のオッサンが喜ぶような酒のツマミ」
「まあミゲル。オッサンだなんて、汚い言葉を使ってはいけませんわ」

 ここ最近、ちょっとミゲルの素行が悪くなりました。
 グレてしまったのかしら、言葉遣いが荒れて困りますわ。
 わたくしの隠しておいたおやつを勝手に食べてしまうし。去年までのミゲルはそんなことしませんでしたのに。

「お嬢様が好むメニューに関しては、我々お嬢様にお仕えする使用人一同把握しております。つい最近はバーベキューなるものをしたいと仰っていました。お嬢様が天啓を受けるメニューにはいつも驚かされます」

 料理長さんが提示したのはバーベキューというもの。それが料理名なのか、食材の名前なのか見当がつきません。

 ヨイ様も聞いたことがないようで、首を傾げます。