悪役令嬢に転生した干物女は酒の肴を食べたい。

「塩辛いが、しかし香りがいい。使い方によっては化けそうな調味料ですね」

「そうなのよ。煮物にしてよし、炒め物に使ってもよし」

 デールは興味津々で醤油を検分している。

「私は冷しゃぶサラダを作るわ」

 作り方はいたって簡単。

 食べやすいサイズに薄切りした豚肉を用意する。

 鍋にたっぷりお湯を沸かす。肉の臭みを消すために、ショチューと塩を少々入れておく。

 ここでグラグラ煮立ったお湯にしないのがポイントだ。
 沸騰しないように火を緩めて、そこに豚肉を通す。

 ざるにあげて水気をよく切る。

 冷ます間に洗ったレタスをちぎってキュウリを細切りに、トマトもくし形切りにして皿に盛りつける。

 サラダに肉を乗せたら、大根おろしと醬油を混ぜたおろし醤油をかけて出来上がり。

「どうかしら、デール、クック」

 料理人二人に味見してもらう。

 醤油料理は異世界で受け入れられるのかどうか。
 この味はちょっと……と言われたら一人で使うことにする。