悪役令嬢に転生した干物女は酒の肴を食べたい。

 ドレス姿の美少女が焼き鳥を頬張り烏龍茶を飲む……絵面がシュールだ。 

「実は今、他の料理も思案中なんです。ウローンティーとの相性が抜群だと思います」

「まあ! それは食べてみたいですわ。試作のときは立ち会わせてください」

「お時間があるようなら、今からいかがです?」

「ぜひ!」
 
 さっそくメイド服に着替えて調理場を借りる。

「ぎゃあああぁ……お嬢様が怪我をしたら生きていけません、やめてください。前回ので最後だって言ったじゃないですか!」

「お嬢様が使用人の服を着て調理場にいるなんて………いくらロブソン男爵に婚約破棄されてショックだからって……」

 私は酒に合うツマミを食いたいだけなんだよ。

 20才くらいのときには私もそれなりに夢見る乙女だった。

 レシピ本の料理片っ端から作って「いつか出会うダーリンのために花嫁修業!」なんてやっていた。

 結局相手(ダーリン)なんていなかったんや。

 食べるのは自分だけだった。

 まーいいや。

 今、ここで活かせてるからいいんだ!!