悪役令嬢に転生した干物女は酒の肴を食べたい。

 お祭以降、移住した人たちはのんびり農村生活を満喫してくれているようだ。
「ぜひフローレンス家の皆様で召し上がってください」と手紙付きで野菜を送ってくれた。

 そして私が仕込んでいた醤油がついに完成した。
 日本の熟練した職人が作ったものと比べると味は劣るかもしれないけれど、醤油らしい味になっている。

 ミゲルとコリンも醤油を使ったものを食べたかろうと思って、小さなホームパーティーを開くことにした。

「デールとクックには軽くつまめるメニューをお願いできる? 作るものは任せるから。私はこれを使った料理をしたいの」

 瓶詰にした醤油は、瓶入りだと黒っぽい。
 小皿に入れればこげ茶の、なじみある醤油だ。

「うわ、しょっぱ。これお嬢様が仕込んでいた、しょうゆ? でしたっけ。豆を熟成させるとこんな味になるんですね」

 味見したクックが顔をしかめた。
 海外の人が初めて醤油をなめたらこんな反応するんだろう。