悪役令嬢に転生した干物女は酒の肴を食べたい。

 話しながらカスタードクリームを作る。

 たまごを卵白と卵黄に分けて、ボウルに卵黄だけ集めて砂糖とよく混ぜ合わせる。

 滑らかになってきたら小麦粉を少しずつふるって加えていく。

 こう、材料が混ざり合っていくのを見ていると楽しいのよね。いい感じ。

 鍋で牛乳を温めて、沸騰前にとめる。
 このぬるい牛乳を少しずつ、ボウルの卵液に足して、混ぜ合わせる。

 ボウルで混ぜたものを鍋で温めなおして、滑らかになったらOK。
 バニラエッセンスはないけれど、近い香りのハーブがあるからそれを入れる。

 クレープを焼く間、冷蔵庫で冷やしておきましょう。

「クリティア、クリティア。これ、ちょっとだけなめてみていい? カスタードクリーム、すごく懐かしいわ」
「ちょっとだけならいいわ」

 ヘラにくっついた分を小皿に盛ってスプーンを添える。コリンはちょっとなめて満面の笑みになる。

「うふふ、おいしい。昔お母さん……前世のお母さんだけど、貧乏なのに誕生日は必ずシュークリームを買ってきてくれたのよ。生クリームのない、カスタードクリームだけの安いやつね。でもあたしにはごちそうだったわ」
「そうなのね」