悪役令嬢に転生した干物女は酒の肴を食べたい。

 コリンにお願いされて、クレープを作ることになった。

 異世界にも一応クレープ的なものは存在する。ただし、野菜や燻製肉、チーズを巻いて食べるガレットというやつだ。基本、生地に砂糖は入れない。映え系おしゃれスイーツが好きな女子にはきつそうだ。

 この世界、魔法技術はあれど、食糧事情は現代日本より遅れている。
 庶民のお宅に冷蔵庫なんてないし、生クリームなんてそう簡単に手に入らない。

 遠心分離機が開発されるのを待つ……なんてのは無理無理。
 一応搾りたて牛乳を丸一日低温のところで保管すれば、上澄みである生クリームと、乳成分が薄くなった牛乳に分離する。

 酪農家のところで搾りたての牛乳をもらい受け24時間待ってもらうのはかなり無理があるから、代替案だ。

 カスタードクリームのクレープを作ろう。 
 キッチンの魔法冷蔵庫から、領地直送の牛乳とたまごを取り出す。