悪役令嬢に転生した干物女は酒の肴を食べたい。

 客間にいたのは10歳にもならない女の子だった。
 長い赤毛を結い上げていて、釣り目で勝ち気そう。真っ青なフリルドレスがよく似合っている。
 人払いをしてから、コリンは私を見上げて言う。

「はじめまして、クリティア。あたしはコリン・チョコザイナー。前世の名前は功利彩夏(こうりさいな)。あなたも日本人でしょう? あなたが作るものってジャージだの焼き鳥だの、日本人ぽいものばかりだもの」

 転生人2人目に、遭遇。
 ごまかす必要もないし、もしかしたらコリンなら、ここが何を原作にした世界なのか知っているかもしれない。
 私も素直に素性を明かす。

「私は栗田玲奈。お察しの通り前世は日本人よ。でも、ゲームとかアニメとかそういう趣味がなかったから、ここがなんの世界かわからないのよ。あなたは知っている?」

 私の質問に、コリンは深くうなずく。