悪役令嬢に転生した干物女は酒の肴を食べたい。


 たっぷりお湯を沸かした鍋で茹でて、冷水でしめたらザルに開けて、天ぷらとつゆをそえる。

「できたわ。手打ちうどんよ!」
「きゃー! 美味しそうにできましたわ! わたしの
レパートリーがまた一つ増えました!」
 
 使用人のみんなの分も並べて、ルールーにも小さめの器でフォークをつけて渡す。


「はぁ。ツルツルして美味しいですわ。パスタもいいですが、この素朴な味わい……魚介出汁の香りが良いです。サッパリしてだいこんと相性が最高ですわ!」
「それは良かった。うどん打ちには自信があるの」

 さすが老舗うどん屋のおばあちゃん直伝。
 作った分が飛ぶように売れていく。

「ツルツルですの! おいしいですの!」
「うふふ。ルールーの口にも合うのね」

 これなら異世界の夏場の食卓でも喜ばれるんじゃないかな。
 私は久しぶりのうどんを堪能して、キンキンに冷やしたビールを飲み干す。
 うどんは白いからカロリーゼロ、ビールの泡も白いからカロリーゼロ☆
 ーーってことにならないかな。うん。ゼロだゼロ。
 母上が見てないから、2杯目飲んじゃえ!


 せっかくだからフローレンス家の夕食にも並べてみた。

 母上が「サッパリしていていくらでも入るわ!!!」と3回おかわりしていた。

 翌日、食べたぶんのカロリーをゼロにするために母上がダンスレッスンを超がんばっていた。