悪役令嬢に転生した干物女は酒の肴を食べたい。

 両陛下にWASHOKU(わしょく)を振る舞う日がやってきた。

 キッチンカーの調理器具や冷蔵庫など念入りに確認して、いざ王城へ。

 国王陛下も妃殿下も、この日のために時間を調整してくれた。
 いま城の庭園には私達キッチンカー隊、両陛下、カインと陛下たちの側近や侍女が揃っている。

 もちろんキッチンカー隊は汚れても問題ないように全員ジャージ装備だ。

 クロムは最初「嫌だ」と渋っていたけれど、私が無理やりジャージを着せた。

 日本円換算一着50万円超えそうなテーラーのオーダーメイドスーツに揚げ油でも飛ぼうものなら、恐ろしくて私が倒れる。
 油汚れって落ちにくいんだよ!?
 割烹着と違うんだよ!?

 ドレスやドレススーツはあくまでも正装。調理向きじゃない。

 キッチンカー2台を広げて立食用のテーブルもいくつか用意してもらい、予行演習どおりみんなで手分けして料理していく。

 集まった方々が
「本当に貴族の子息令嬢が料理なんてするのか?」
「使用人に用意させたものを出すだけでは?」
 という反応だったけれど、偏見なんて実力でぶっ飛ばす。

 貴族は料理しないなんて考えふっ飛ばすのだ。

 連携プレーで手際よく調理して盛り付ける。