悪役令嬢に転生した干物女は酒の肴を食べたい。


 クロムも気に入ったようで、口の周りに衣をくっつけて黙々と食べている。
 カインにも確認を取る。

「殿下。これを陛下にお出ししても大丈夫かしら?」
「バッチリだよ! 父上も母上も、これなら絶対美味しいって言う。もう1つもらってもいいかな」
「……焼き鳥のときも思いましたけど、殿下って意外と大食いですよね」
「あ、だめだよ殿下! それおれの分!」

 王子様に抗議するミゲル。

「じゃあ半分こしよう」

 カインがコロッケを半分に割って、片割れをミゲルに渡す。

「ヤローと仲良くはんぶんこなんて。せめてかわい子ちゃんであれ」

 本音ダダ漏れてるぞヒモ。
 出勤してきたルールーが緑茶を運んできた。

「クリティア様のお茶はルールーがいれますの。って…………アフロさんですのーーー!!」

 カインを見たとたんルールーが後ずさった。
 彼はこの国の王太子様よ、とジーニャに説明されて二度驚いた。

 奇抜すぎる変装でうろついていた人が次期国王様だなんて、信じたくない気持ちはわかる。