悪役令嬢に転生した干物女は酒の肴を食べたい。

 使用人達も恐る恐る口にして、泣いて喜んでいる。

「とり肉をワインに漬けて、味付けが塩だけなのにこんなに美味しいなんて!! 串に刺してあるから手も汚れない!」

「これなら本を出せますよ、お嬢様!!」

 みんな喜んでくれた、よかったー。

 これで今日から夕食に焼き鳥出してもらえるわね、ふへへへ。

 焼き鳥をむさぼっていると、侍女が封筒を持って入ってきた。

「お嬢様。ロブソン男爵からお手紙です」

 元婚約者かー。

 せっかく焼き鳥を楽しんでいたのに。

 仕方なく手紙を広げると

【マイエンジェル・クリティアへ

僕は君を失ってから毎日辛いよ、天界を追放された堕天使もこんな気持ちだったんだね。どうかまた僕に微笑みかけておくれ、クリティア。君の微笑みは……】

 5枚に渡ってびっしり綴られていて1枚目の冒頭で読む気が失せた。

 わーー。

 この世界にも復縁要請お花畑ポエム(ロミオメール)ってあるんだ。

 引くわ。

 手紙は細かくちぎって火にくべた。

 そんなことより焼き鳥食べよ。